部屋に上がったらOK?性的同意の認識をアップデートしよう

平成も終わる2019年の初めから、就活セクハラ、『週刊SPA』への女子大生の抗議など、さまざまな事件が起きています。前年のユーキャン新語・流行語大賞には「悪質タックル」「奈良判定」「時短ハラスメント」というハラスメントに関連する言葉が4つノミネートされました。

最近の事件では、大手ゼネコン大林組の社員が就職活勤で訪問に来た女子大学生にわいせつな行為をしたとして逮捕されましたよね。就活セクハラて逮捕者が出たのです。「許せない」「キャリア終わったな。コイツ」という声もありますが、同時にこんな声もあります。

「これは一部の人の個人的なことだよね」
「女子大生のほうにもスキがあったんじゃないの?」
「部屋に上がったら、OKということじゃない?」

そう思った方はぜひ認識をアップデートしましよう。私はこれも「職場領域のハラスメント」と思っています。多くの女子大生が「断ったら不利になるかもしれない」と思ってしまうパワーの関係が明確だからです。しかし均等法のセクハラの定義は労働者しか対象にしていません。「就活中の学生を守れる法律に改正を」と、そんな動きもあります。

『ヒジネスインサイダージャパン』がこの「就活セクハラ問題」を重視し、早くから記事にしています。緊急アンケートでは「約5割の学生が就職活勤中にセクハラ被害にあっており、そのうち約7割が誰にも相談できずにいる」とのこと。

「『胸を触る・キスをされるなどの身体的な接触を受けた』『セックスを強要された』という人が多かった。また、被害にあったほとんどの人がその企業の選考や内定を辞退していた」と記事にあります (ヒジネスインサイダージャパン2019年2月15日号)

「資料がある」などといって自宅に連れ込む悪質な手口もあります。少数ですが男子学生の被害もあり、就活自体をやめてしまった人もいます。

そもそも「自宅に上がったら、何をしてもOK。一緒に酒を飲んたらそのつもりがある」のでしょうか? 恐怖やパワーダイナミクス (この場合、就活における圧倒的な力関係) の上で、はっきりと断れなかったとしても、それは「同意」ではありません。日本の感覚のまま海外で働くようなことがあると、犯菲者になってしまう恐れがあります。 海外ではもとから「同意のない性行為は違法」となっていますが、日本でもようやく不同意性交罪が制定されたのには、このような背景があるのです。

「ヤレる女子大生ランキング」に抗議した大学生グループは、その後編集部と対話し、『週刊SPA』になんと「家に泊まっても性行為OKじゃない? 男女の性的合意のズレを考える」という記事が載りました。「性的同意」とは、性的な行為に及ぶ際にお互いの同意を得ることです。「イヤよイヤよも好きのうち」「押しが強いほうがモテる」は通用しないことがわかります。

女子大生など若い人たちが「性的同意を文化に」というスローガンのもと、冊子を大学に配ったり、勤画を配信したりと活動をしています。このような常識が、男女・年齢を問わず社会の常識として根付く日も近いでしょう。

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